2011年10月19日

東山魁夷が愛した湖。斑尾にあります。

今週末の斑尾国際音楽村関連イベント「森のピクニック」で歩く、
斑尾高原の「希望湖」は、
東山魁夷がスケッチに通い、こよなく愛した、神秘的な小さな湖です。

長野県県民文化会館の緞帳の原画にもなっている
代表的作品 静映 は、
希望湖を描いたものですが、
大勢の人々が訪れて、環境破壊につながることを危惧した東山魁夷は、取材地を「長野県北部」としていたそうです。

静映の希望湖は、初夏の希望湖ですが、
秋もまた、息を呑むほどの美しさです。

今週末、ピッキデーと一緒に、錦秋の湖を、歩きませんか?





「信州讃歌」画文集(1995年)には、こう書かれています。

昭和58年に開館された長野県県民文化会館の中ホールの緞帳の原画を県から依頼された私は、どんな題材が良いかと、いろいろ考えました。そこで何か信州にゆかりのある風景を描きたいと思いましたが、緞帳は高さに対してずいぶん横に長いプロポーションですので、まず構図の上での制限があります。
それで私は、長野県の人々に親しみ深い風景の中でも清澄な山の湖がふさわしいのではないかと考えました。初夏の湖の朝早い静かな情景を描きたい、との構想のもとにスケッチを取り出して眺めているうちに、私はここぞと思う一枚の風景が目に浮んできました。
色彩は青を主調にし、白樺などの新鮮な感じの緑と背後の杉の濃い緑を対照させて見たらと考えました。そしてそれらの木立が、そのままの姿で水に映っている構図にして緞帳の原画となったのです。(「信州讃歌」画文集1995年)

これが、静映です。



秋の希望湖の写真は、信州の案山子さんのブログより、お借りしました。   


Posted by 斑尾国際音楽村 at 04:12Comments(0)第7回 ノルウェー